和歌山にはたくさんの古墳があります。全長88㍍と県内一の大きさを誇る天王塚古墳や、馬用のかぶとである馬冑(ばちゅう)が世界で初めて出土した大谷古墳など…。そんな中、一際読むのが難しい古墳があります。和歌山市のくまさんからの質問「木ノ本にあるしゃかのこし古墳の漢字の由来は?」。
実際は「車駕之古址古墳」と書くのですが、読むのも書くのもかなり難しい…。なぜこんな名前になったのか。管理する同市文化振興課に聞きました。
「位の高い人の遺跡」との意味
「和歌山市木ノ本にある車駕之古址古墳は呼び方も漢字も難しいが、由来は?」。市文化振興課によると、〝車駕〟とは、位の高い人が乗っていた乗り物で、これが転じて位の高い人そのものを指します。そして、〝古址〟は古跡や遺跡。つまり、「位の高い人の遺跡」との意味です。
5世紀後半に造られ、全長86㍍と天王塚古墳に次ぐ県内で2番目の大きさ。実は国内で唯一、金色の勾玉が出土しています。もしかすると、相当、位の高い人がいたのかも…。ただ、亡くなった人を納める部屋が長い年月の間に崩れてしまい、具体的にどんな人がいたかは分からないそうです。
現在は公園になり、周りは田んぼや畑、住宅に囲まれ、のどかな風景が広がりますが、ありふれた街並みの中に歴史的な遺跡、どこかロマンを感じますね。
(ニュース和歌山/2020年6月20日更新)