《回答者》

◆脳神経外科

貴志川リハビリテーション病院

亀井一郎院長

 

 認知症は「最もかかりたくない疾患」の一つですが、高齢化と比例し、増え続けています。

 我が国においては、認知症およびその予備軍を合わせると人口の1割を占め、65歳以上では4人に1人がそれらに相当するといわれています。

 認知症の主な症状は、「覚えられない」「時間や場所がわからない」「物事を最後までやり遂げられない」などです。体験したこと自体を忘れたり、判断力が低下することもあり、日常生活に支障をきたします。周囲との間にあつれきを生むことも多く、不安、妄想、暴言、徘徊などがみられるようになります。

 アルツハイマー病がよく知られていますが、ほかに、レビー小体型認知症、脳血管性認知症、前頭側頭型認知症などがあり、それぞれ症状も対処法も異なります。一方、手術で治るタイプもあり、慢性硬膜下血腫や正常圧水頭症などが原因の認知症が該当します。ただし、CTやMRI等を用いた的確な診断が重要です。

 「おかしいな」「心配やな」と思ったら、ためらわずに脳神経外科、脳神経内科、精神科といった専門外来を受診してください。丁寧な診察と正確な診断を受ければ、良い治療につなげられます。一度の人生、楽しく明るく過ごしましょう。

 

(ニュース和歌山2020627日号掲載)