《回答者》
◆脳神経外科
貴志川リハビリテーション病院 亀井 一郎院長
それは典型的な「片頭痛」です。ふだんは何ともないのですが、頭痛発作がくると耐えがたい痛みのために作業が続けられなくなります。時に「目の前がキラキラ光る」などの前兆があり、その後、脈拍に合わせた頭痛が半日~2日ほど続き、嘔吐を伴うこともしばしばです。若い女性に多く、遺伝性もあります。休日に起こりやすく、飲酒で悪化します。片頭痛が起こる仕組みとして、脳の血管が急激に腫れて拡張する→血管周囲の神経を痛める、などが考えられています。
一方、肩こりやストレスが原因でじわじわと締めつけられるような慢性的な頭痛を「緊張型頭痛」と呼び、片頭痛とは区別されます。最も多く見られる頭痛で、仕事の疲れや嫌な上司の顔を思い起したりすると増幅します。ただし、作業ができなくなるほどではなく、休日にはやわらぎ、また適量の飲酒や軽い運動などで心身をほぐすと痛みは軽減します。
片頭痛と緊張型頭痛は「怖くない」頭痛の代表ですが、本人にとっては辛いものです。この両者は頭痛の起こる仕組みも治療法も全く異なります。お悩みの方は脳神経外科や脳神経内科などを受診し、適切なアドバイスや治療を受け、快適な生活を取り戻しましょう。
(ニュース和歌山/2020年7月26日更新)