怖さ:2
町の妖怪
出没地域:田辺市
昔、田辺の町は商人や芸能者が多く行きかった。その中の行商人に「阿波座の徳」という者がいて、手品を得意としていた。その手品があまりに不思議だったので、南方熊楠がタネを問い詰めたところ、飯縄を使っていたことが分かった。飯縄は狐と狸と鼬を合わせたような姿で、色は白く、猫ほどの大きさだという。これが飯縄使いの袖口から出入りして、不思議な手品を手伝うのだ。非常に頭がよく、世間の情報を集めて主人にささやくとも言われ、「誰かがお前の悪口を言ってるから仕返してやれ」など悪事をそそのかすこともある。
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(ニュース和歌山/2020年9月19日更新)