気持ち良い秋晴れの日は、紀の川沿いを散歩やサイクリングしたくなります。今回は和歌山市のメロンパンさんから届いた「紀の川の堤防、右岸と左岸のどちらが低いの?」を調査します。

 早速足を運びましたが、両岸を見比べても高さの違いは分かりません。感覚的には自分の立っている側が高いような、向こう岸の方が高いような…。そもそも堤防の高さに違いはあるのでしょうか。紀の川を管理する和歌山河川国道事務所に聞きました。

 


 

基本同じ。地形により異なる

 「紀の川の堤防、右岸と左岸、どちらが低いの?」。和歌山河川国道事務所河川管理課によると、「高さは同じになるよう整備しています」とのこと。1923年の紀の川改修計画で最大予想水位の1・5㍍以上になるよう整備されました。

 ただ、地形や道路事情で違ってきます。本紙配布エリアで高低差が最も大きいのは紀の川市の桃山大橋の下流側で、左岸が約3㍍高くなっています。対岸が低いのではなく、左岸が山すそにあり、自然の地形を利用しているからです。

 また、堤防の上を通る道路やそこにつながる橋の状況でも変わります。和歌山市の川辺橋東側辺りは、右岸が約1㍍高く、「橋の高さに合わせて道路を造る過程で土を盛り、堤防の一部になったのでは」と推測します。

 橋は59年に紀伊半島を襲った伊勢湾台風並みの豪雨を基準に、最大水面より2㍍程度高く定められています。堤防上の道路もそれぞれ整備計画があり、ところどころに差が出るようです。

(ニュース和歌山/2020年10月17日更新)