言われてみれば確かにおかしい…。このコーナーを始めてから、本当にそう思うことが多くあります。
そんな中で今回の疑問は、和歌山市の山入桂吾さんから届いた「交通センターと周辺は〝西〟という地名です。ただその周りには和歌山〝東〟高校や〝南〟インターチェンジがあり、ややこしい。なぜ〝西〟なのでしょう?」。
確かに、地図で見ても市の東部に〝西〟があります。なぜこんなことに…? 同市立博物館の佐藤顕学芸員に聞きました。
岡崎庄の一番西にある村だった
「交通センターと周辺の地名はなぜ西なの?」。和歌山市立博物館の佐藤顕学芸員によると、「江戸時代に出版された『紀伊続風土記』に、あの一帯は昔、岡崎庄と呼ばれ、いくつかの村があり、その庄の中で最も西側に『西村』があったんです」とのことでした。
『角川日本地名大辞典和歌山県』にも説明があります。見ると、中世の岡崎庄は西村の他に、現在の森小手穂にあたる森村と小手穂村、寺内村の4つの村で構成されていました。のちに岡崎村と改称されますが、町村合併が進み、岡崎、森小手穂、寺内は地名となり、西村は「西」だけが残ったとあります。
ちなみに西周辺は和歌山〝東〟警察署の管轄です。なんだか文字だけ見ると方向音痴になったような…。試しに西で〝北〟が付く施設を探してみましたが、残念ながら見当たりませんでした…。
(ニュース和歌山/2020年11月14日更新)