《回答者》
眼科
吉村眼科 吉村 利規院長

 安定した見え具合を維持するには、目の表面の角膜が常に涙に覆われ、なめらかな状態であることが必要です。ドライアイになると涙が不足し、見えにくさや目の乾き、痛みなどの症状が現れます。

 涙は三層構造になっており、角膜に接しているムチン層、涙液の大半を占める水層、涙の蒸発を防ぐ油層に分かれます。どの層に異常があるか診断することで、治療法が決まります。

 涙の分泌が少ない人には、水を主成分とした人工涙液を用いて涙を補います。防腐剤の入っていない製品もあります。今まで眼科で処方されていたヒアルロン酸Na点眼液がOTC医薬品化され、薬局やドラッグストア等の薬剤師に相談すれば、同じ成分の製品を直接購入できるようになりました。

 また、涙の表面の油層は、まぶたの裏側にあるマイボーム腺より分泌されますが、マイボーム腺機能不全になると油の分泌が少なくなり、涙が乾きやすくなります。まぶたの清拭、特にまつげの根元を清潔に保つことや、眼の温罨法も油の分泌を促進する効果があります。

 つらい症状が続くようならば、眼科専門医を受診してドライアイの原因を調べてもらい、その状態にあった治療や生活指導を受けてください。

(ニュース和歌山/2020年12月20日更新)