今回が2020年最後の謎解き代行社です。調査するのは岩出市の小林和男さん、紀の川市の小西輝さんから届いた「岩出中学校の校門はなぜあんな遠くにあるの?」です。
この謎にあまりピンと来なかったので、現地に向かいました。すると、岩出中学校の校門は普通に校舎の前にあります。…が、その校門を背に南へ5分ほど歩くと、突き当たりの三さ路に古い校門のようなものが!
早速、岩出市教育委員会に聞きました。
初代校門が旧街道沿いに残っている
「岩出中学校の校門はなぜあんなに遠くにあるの?」。岩出市教育委員会によると、岩出中学は1947年5月に創立しました。ただ、校舎が完成しておらず、現在の那賀高校の教室を借り、授業を行っていました。そして翌年から、建設中の新しい校舎で授業を行い、工事は9年かけて全て完了しました。
しかし、学校の周りは一面、田んぼ。今のようにいろんな建物があったわけではなく、ぽつんと校舎だけが建っていたそうです。古い航空写真にその様子が残っており、校舎の前には長い長い一本道が。実はその先に現在の県道岩出小豆島線が通っています。この道は昔街道で、多くの人が往来していたそうです。つまり、田んぼの真ん中にある校舎と街道との間に道はなく、街道沿いに校門を設置し、校舎までの長い道でつないだんです。
その後、町は発展し、家や店が増え、学校と門の間に国道24号が通り、今の姿に。古い校門はそのままに、校舎の前に新しく正門が設置されました。
時間の経過で町の姿が変わり、当たり前の風景が未来では「何か変だな」と思われるようになるかもしれない。そしてこの先、また新しい謎ができるんでしょうね。
(ニュース和歌山/2020年12月19日更新)