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NPO法人の活躍が目立った2000年代。まちづくりや子どもの健全育成、環境保全などの分野で活動する非営利の市民団体に法人格を与えるNPO法が1998年12月に施行されたのを受け、県内で初めてのNPO法人が誕生したのが99年だった。この年を中心とするNPO草創期を追った。 広がる活動の幅 党を超えた議員立法でできたNPO法。90年代、全国で市民活動を展開する人たちが国会議員と議論し作り上げた。当時、議員への請願活動を行った一人が、右の記事に登場した子ども劇場県センター(現・子どもNPO県センター。99年1月までは県子ども劇場おやこ劇場協議会)理事長の岡本さん(70)だ。
98年、NPO法が成立。税制優遇制度は盛り込まれなかったが、「一歩前進でした」。翌99年7月、子ども劇場県センターは法人格を取得した。同年12月、新たな取り組みとして、子どもたちの悩みに24時間体制で耳を傾ける電話相談「チャイルドライン」を実施。「法人格がなくてもできた。しかし、認証を受けたことが社会的な後押しとなり、大事な取り組みだと堂々と言えました」。2002年からは和歌山市の委託を受け、子育て中の親と子が集えるキッズステーションをぶらくり丁に開設。法人格取得を幅広い活動につなげた。 変革期の次へ 99年10月には「市民活動ネットワーク和歌山」が設立された。NPOや市民活動を行う人たちをつなぐため、情報紙を発行し、講座やフォーラムを開催。岡本さんやボランティア活動に取り組む人、大学教授らと輪は広がった。その一人、木野学さん(74)は「NPOと言っても、まだ『日本パチンコ協会?』と言われた時代。NPOを根付かせるため、徹夜で議論することも多かったですね」。同ネットを母体に、NPOを支援するためのNPO「わかやまNPOセンター」が01年に立ち上がった。 ◇ ◇ 「ニュース和歌山が伝えた半世紀」は毎週土曜号掲載です。 |
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※ニュース和歌山2014年9月6日号掲載
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半世紀No.36 〜 1999年(H11)子ども劇場県センター NPO認証第1号 公益担う市民の力 草創期
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