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2001年の丸正百貨店倒産を引き金に、ぶらくり丁では、老舗映画館が相次いで閉館に追い込まれた。03年に東ぶらくり丁の帝国座、05年2月に元丸正前の東映シネマ、そして8月、中ぶらくり丁の築映が幕を閉じ、二丁目かいわいから映画館が消えた。 ファンの集い盛況 最終営業日、『亡国のイージス』の上映終了後、劇場で「さよなら築映ファンの集い」が開かれた。企画したのは落語家の桂枝曾丸さん(46)と、イベント会社を運営する杉谷和昭さん(46)。杉谷さんは「これだけ長年愛された映画館。記憶に残るような催しをしたいと映画館に伝えました」。
本紙にも読者から多くの声が寄せられた。「一番多く通った映画館。字幕翻訳者の戸田奈津子さんにあこがれた」「味のある古さ、お尻が痛くなってくるイス、上映の間に流れる『みかんの花』も大好きでした」「名画座の趣きがあった。あの思い出を胸に、いつかよみがえることを夢としたい」…。寂しさや悔しさをにじませつつ、どの文章も最後は「築映さん、ありがとう」と締めくくられた。 変わらぬ喫茶の味 閉館後は劇場の活用が期待されたものの、解体されコインパーキングになった。翌年には元社員がモンティグレなどで出張上映会を開く和歌山映画センターを設立、銀幕の灯を引き継いだ。 ◇ ◇ 「ニュース和歌山が伝えた半世紀」は毎週土曜号掲載です。 |
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※ニュース和歌山2014年10月18日号掲載
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半世紀No.42 〜 2005年(H17)「築映さん、ありがとう」 市民に支えられ67年の歴史に幕
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