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 ギリシャのエーゲ海の島々を渡り、トルコ西海岸のクシャダスに到着しました。人生初のイスラム教国なので色々と想像を膨らませていましたが、到着してみるとヨーロッパと変わらない印象でした。顔立ちはイタリア系、英語が通じ、日本語で声を掛けられることも。トルコ楽勝やん!と思ったのも束の間、海岸沿いから東に少し進むと、それが一変。顔立ちはモンゴル系、言語もトルコ語しか通じない、しかし相変わらず声は掛けられました。

 自転車で走っている僕たちを見て、指先をくっつけて上下に動かしたり、人差し指を下に向けクルクルと回すジェスチャー。前者が「素晴らしい」、後者が「チャイ(甘い紅茶)でも飲んでいきなさい」という意味で、お茶に誘ってくれるのです。2人で20杯いただいた日もありました。

写真右上〈スマホなどは上〉=チャイで打ち解ける筆者(中央)

 他にも、食事をごちそうしてくれたり、果物や野菜をくれたり、「近くに安宿はありませんか?」と聞けば、「私の家に泊まっていきなさい」と言われ、数日間そのお宅でお世話になったり、トルコの人達の心優しさを語ったらきりがないほど。

 なぜトルコの人達はこんなにも優しいのでしょうか。道中、昼食をごちそうしてくれた人によると、イスラムの教えには「旅人(巡礼者)をもてなす心」「分け合う精神」というものがあり、僕たちを旅人としてもてなしてくれているようです。

 海外旅行で親しげに近寄ってくる人には悪意があることが多いと言われますが、トルコでは何の見返りも期待せず、心からもてなしてくれる人に何度も出会いました。特に僕たちは、チャイを通じて多くの方々と親しくなった気がします。日本人にとってのお茶と同様に、トルコ人はチャイをこよなく愛しています。茶もチャイもローマ字で書くとCから始まります。欧米のTEAとは異なる、日々の生活に根付いたCの文化に親しみを感じます。チャイとトルコ人の温かさでお腹と心を満たされながら、トルコを走行中です。

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 最後にトルコの穴場観光スポットを紹介。カッパドキアから車で2時間の距離にトゥズ湖という塩湖があります。ここは、かの有名なボリビアのウユニ塩湖と同様に〝天空の鏡〟といわれる感動の景色(写真このページ下)が見られます。カッパドキアに行く機会があれば、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。

(ニュース和歌山2014年11月15日号掲載)