◆外科

楽クリニック  藤田  定則院長

 

 

A. 下肢静脈瘤の症状には、こむら返り、足のだるさ、むくみ、痛み、色素沈着(シミ)、かゆみ、発赤、皮膚が硬くなるなどがあります。

 下肢静脈瘤は、静脈内の血管の弁が壊れたことが原因で発症します。足で使われた血液がうまく心臓へ戻れず、血管内にたまってしまうため血液の流れが悪くなり、皮膚が炎症を起こします。空気が乾燥する冬場はかゆみが強くなりやすく、入浴後にとくにかゆみを感じたりします。中には、我慢できず、かきむしって出血してしまう方もいます。長く放置しておくと、少しずつ皮膚が黒ずんできます(色素沈着)。

 かゆみの予防には、ローションやクリームなどを使った十分な保湿に加え、ふくらはぎを圧迫する治療用弾性ストッキングの着用が有効です。血行を良くするために、運動もお勧めしています。

 皮膚にかゆみやシミ、発赤、色素沈着、硬くなるなどの症状が出てきたら、下肢静脈瘤が進行している状態です。病気の進み具合を5段階であらわすと、第4段階にあたります。そのままにしておくと炎症が進み、手術を行っても色素沈着の黒ずみが消えないことがあります。きちんとした治療を早めに受けることが望ましいです。