海南市に春を呼ぶ「紀州海南ひなめぐり」が今年も2月15日(日)〜3月15日(日)に開かれます。街中のあちこちにお雛様を飾り、散策を楽しんでもらう市民有志手づくりの催し。5回目となる今回は国名勝の温山荘園(同市船尾)が会場に加わり、ますます見ごたえ、歩きごたえのあるイベントになりそうです。
駅にずらり千体
昨年までは2月1日〜3月3日に開いていたイベント。今年は会期を半月ずらした。「『桃の節句で終わってしまうのは寂しい』とのうれしい声が多かったんです」と実行委員長の東美智さん。今回もJR海南駅、黒江の川端通りとその周辺、駅前商店街の3エリアがメーン会場となる。
海南駅内では、もはや名物となった千体雛が今年もお出迎え(写真上)。幅8・0×高さ2・5㍍のビッグひな壇に並べられた人形、「実は千体以上あるんですよ」。実行委も正確な数字は分からないそう…。
川端通りは紀州漆器伝統産業会館(うるわし館)や漆器店などで漆塗りの紀州雛、漆器職人が製作した巨大雛がお待ちかね。駅前商店街は各店のショーウインドーに人形が登場する。例年、飲食店は手にフォークとナイフ、化粧品店はお雛様がアイシャドー…と趣向が光る。東さんは「『昨年と同じにはしたくない』と張り切っている店主も多いです」。さて、今年はどんな演出で楽しませてくれるか…。
江戸時代の人形も
毎年2月は休園期間中の温山荘園が今年は特別に開園し、会場に加わる(月曜休み、要入園料)。また、下津町の展示場所も増加。詳細はJR海南駅、うるわし館などに置くパンフレットを参考に。
各所に展示するお雛様は、市民から寄贈されたものが多い。今年も海南市出身で現在、大阪市に住む70歳の女性から、江戸時代に作られた享保雛の提供を受け、海南駅前一番街のファーストガーデンに設ける「ひなみ館1号」に飾る。10年前から絵手紙をたしなむ和歌山市の大谷洋子さんは石に描いたお雛様、お内裏様、三人官女など15体を寄贈。「笛や鼓など手に持っている物が分かりやすいよう、シンプルに描きました」と語る力作、設置場所は…まちあるきしながらお探しください。
紀州海南ひなめぐり実行委員長の東美智さん(写真右〈携帯などは上〉、左から2人目)「この季節だけは『海南市』でなく、『海南おひな市』となるように──。それぐらいの勢いで今年も実行委員一同頑張っています。まちの魅力や人の温かさを感じながら、ぜひまちめぐりしてください。海南は7月の黒江七夕まつり、8月の夢風鈴まつりなど市民手づくりのイベントが他にもたくさんあります。ひなめぐりを楽しんでくださった方には、他の季節にも足を運んでほしいですね」
写真上=奥の人形が、海南市出身者から今年寄贈され た享保雛。江戸時代からの歴史を感じさせる
〈会期〉2月15日(日)〜3月15日(日)
〈時間〉原則午前10時〜午後4時だが、展示場所により異なる(会場によっては定休日あり)。
〈会場〉JR海南駅構内、黒江の川端通り付近、駅前商店街、温山荘園など海南市内各所。個人宅や商店の窓辺にも多くの展示あり
〈問い合わせ〉海南市物産観光センター 073・484・2326
※「和歌山おでかけ案内所」は第2、4水曜〝オープン〟です
(ニュース和歌山2015年2月11日号掲載)