2015032502magoiti

 戦国時代に鉄砲隊雑賀衆を率いた雑賀孫市で和歌山市を盛り上げる「孫市まつり」が3月29日(日)に同市鷺ノ森の鷺森別院で開かれる。郷土の歴史を発信しようと孫市の会が主催し今回で11回目。野外劇、歌謡ショーと春の1日をにぎわせる。

榎木孝明さん監修の劇

 「信長軍10万に対し、わが紀州鉄砲隊3000! 迎え撃つ!」。午前10時半、気勢を上げた武者行列が和歌山城一の橋を出発し、幕開け。個性豊かな甲冑を身にした武者たちがお城周辺を練り歩く。一の橋〜和歌山城西の丸〜汀丁交差点〜南海和歌山市駅〜鷺森別院と巡り、無敵の鉄砲隊と呼ばれた雑賀衆の姿を再現する。

2015032502saika

 鷺森別院に到着後、正午からは目玉の野外劇だ。これまでも東映の中野広之監督の演出で、信長軍と雑賀衆の戦いを寸劇にしてきた。今回は、中野監督に加え、俳優の榎木孝明さんが監修。時代劇再生に力を入れる榎木さんが地元のメンバーばかりの出演者に演技指導した。当日も来場する。孫市役の岡村康司さんは「殺陣(たて)、発声法とプロの指導は違いました。孫市が紀州を守った思いを伝えるため、〝孫市になる〟のが目標です」と気合いが入る。

写真上=お城で演技指導する榎木孝明さん
写真下=
年々、人気が上がる野外劇

迫力の鉄砲隊ずらり

 鉄砲隊の演武は野外劇のクライマックスだが、2回目午後0時45分、3回目2時45分にも鉄砲隊が出撃する。中でも2回目は、九度山、堺、丹波亀山と県内外の鉄砲隊がずらり。迫力の発砲をみせる。

 和歌山の歴史を学べる催しも数多い。1時半から、別院本堂で、正忍記を読む会会長の山本寿法さんが「名取三十郎と日本三大忍術伝書『正忍記』」と題して講演。紀州の忍者について語る。

 2015032503teppou1階ホールでは、信長の攻めを防ぐ堀が発見された鷺森遺跡のパネル展示、甲冑体験、模擬火縄銃体験コーナーを設ける。このほか、午前11時から、ななこの会のお手玉、午後0時半から松源相撲部による「孫市ちゃんこ」のふるまいと盛りだくさん。

 また、ポップスから演歌まで多彩な音楽ステージがあり、ロックバンド、ザ・ビートが孫市の魂を歌うライブを届ける。

 孫市の会の森下幸生会長は「行列から劇へ展開するなど初の試みも多い。来て頂けたら、みなさんなりの楽しみを発見できます」と話している。

2015032503morisita

 森下幸生会長「和歌山のヒーロー、雑賀孫市を知ってもらおうと始めたまつりも10回を超えます。これからも関西へ、全国へとPRしていきます。戦国時代、孫市を敵に回すことを多くの武将が恐れました。〝孫市は和歌山の宝〟を合い言葉に、まつりがある時もない時も来てもらえる街を目指します」

〈時間〉11時〜16時。武者行列は10時半、和歌山城一の橋を出発する 
〈所在地〉和歌山市鷺ノ森の鷺森別院 
〈アクセス〉南海和歌山市駅から、城北通りを東に進み、徒歩5分 
〈問い合わせ〉孫市の会073・423・3136

大きな地図で見る

※「和歌山おでかけ案内所」は第2、4水曜〝オープン〟です

(ニュース和歌山2015年3月25日号掲載)