◆外科
楽クリニック 藤田 定則院長
A. 長年、足に血管のコブがあり、こむら返りやむくみ、だるさ、かゆみ、色素沈着といった下肢静脈瘤の症状があるにもかかわらず、手術による治療に踏み切れない方はたくさんいらっしゃいます。
まず、こむら返り、だるさ、むくみ等の初期症状の段階では、進行を予防するために、運動や医療用弾性ストッキングの着用、減量などを心がけることが必要です。
症状が進行すると、空気が乾燥する冬場にかゆみを強く感じるようになります。かきむしって出血してしまうこともあり、これを繰り返していると、皮膚が少しずつ黒ずんできます。このように皮膚の炎症(かゆみ、発赤、色素沈着、シミ、皮膚の硬さ)を認めるようになったら、経過観察よりも手術による治療が望ましいでしょう。
最終段階になると、色素沈着の部分にケガをすると傷が治らず、潰瘍になったり腐ったりすることがあります。この段階まで放置しないことが賢明です。
下肢静脈瘤はゆっくりと進行し、悪化した場合は手術となります。そうなる前に医療機関を受診し、適切な処置を受けることが大切ですが、もし手術になっても、入院せずに受けられる「日帰り手術」が可能です。
(ニュース和歌山2015年3月28日号掲載)