◆歯科

吉村歯科医院 吉村 義孝院長 

 

 

 A.  かみ合わせは、「①歯とあごの形」「②あごの位置」「③あごの運動」の3つに分類されます。そのなかで、①の「歯とあごの形」(咬合形態といいます)が、歯並びと関係があります。

 歯並びが悪くなると、かみ合わせが悪くなります。歯が傾いたり、前に出てしまったり、でこぼこだったり、隙間ができたりといった歯並びの異常は、口元だけの問題でなく、全身の健康に悪影響を及ぼします。

 歯やあごの形がなぜ、からだ全体に影響を及ぼすのかと言うと、上あごも下あごも「三叉神経」に支配されており、その三叉神経は脳とつながっているからです。

 三叉神経は、上あごでは知覚を支配し、下あごでは知覚に加え、運動や体性感覚も支配しています。あごの運動には、嚥下(飲み込むこと)や発語(話すこと)等がありますが、下あごの三叉神経は、とくに咀嚼運動(かむこと)やあごの感覚に関わっているとされています。

 このように、すべての歯の情報は、三叉神経を介して脳とつながっており、歯やあごの形そのものも、脳と無関係ではないのです。一度、歯並びやあごのずれについて確認されてはいかがでしょうか。治療は、できるだけ早い段階で始めることをお勧めします。

(ニュース和歌山2015年4月25日号掲載)