◆眼科
吉村眼科 吉村 利規院長
A. 目の働きはものを見ることですが、そのためには眼球の構造が正常であるだけでなく、目の付属器(まぶたや目を動かす神経)も障害なく働くことが必要です。ところが、眼球の動きをコントロールしている左右3対の脳神経が異常を来すと、特定の外眼筋の働きが悪くなり、ものがずれて二重に見える「複視」が起こります。
このように、眼窩(眼球の後ろのくぼみ)の中や、目に関係する神経および筋肉の病気を診断するのが神経眼科です。神経内科、脳神経外科と連携し、MRIやCTなどの画像診断を基に原因を突き止め、内服薬による保存的治療、手術による外科的治療、特殊な眼鏡(プリズム眼鏡)による矯正等の治療を行います。ご質問者様の場合、複視であると思われることから、神経眼科の受診をおすすめします。なお、診断には、まぶたの動きの評価も重要です。
眼科では、眼底の視神経のうっ血乳頭や視神経萎縮などが見つかり、脳腫瘍などの病気が判明することもあります。また、高血圧、動脈硬化や糖尿病などによる血管の異常だけでなく、全身的な感染症や膠原病などの所見が眼球に見つかることもあります。
まずは、眼科専門医にご相談ください。
(ニュース和歌山2015年6月27日号掲載)