2015072201kurosa

 濃厚なのに後味スッキリ。放牧牛の搾りたて牛乳を惜しみなく使った黒沢牧場(海南市上谷)のソフトクリームは、和歌山の夏スイーツに欠かせない定番だ。根強いファンからの「この味を持ち帰りたい」「知人に贈りたい」との要望にこたえ、9年前に発売したカップ入りのアイスクリームも人気。ソフトクリーム担当の上芝良造さん(65)と、良造さんの次男の妻でアイスクリームを手掛ける舞子さん(37)に話を聞いた。(文中敬称略)

こだわりの放牧飼育

——牧場のオープンは?

良造 1967年、父が中心となり、農事組合法人を立ち上げました。70年に乳牛の飼育も始め、乳搾りができるようになった72年からソフトクリームを作っています。94年の世界リゾート博では、異業種仲間とつくった同好会で出店し、期間中、30万個を売り上げる人気でした。

舞子 私は奈良出身。大学4年の時、マリーナシティに遊びに来た際、和歌山出身の先輩から「黒沢牧場のソフトクリームは絶対に食べて」と言われました。実は甘い物はそんなに得意でなかったのですが、フレッシュですごくおいしかった。まさかその後、そのソフトを作っている牧場に嫁いでくるとは(笑)。

——味のこだわりは。

良造 ただただ牛乳の良さを生かすということです。日本のほとんどの牧場は牛舎で飼育していますが、うちは標高450㍍、30㌶の草地で放牧しています。牛たちはストレスがないし、足腰が強くて健康。牛舎飼育なら1頭が一生に産むのは3〜4頭なのに対し、うちは7〜8頭です。牧草をたっぷり食べている牛の乳は、味も色も違う。孫に牛乳の色を聞くと、「黄色」と答えます。乳脂肪分がたっぷりですから、白でなく黄色いんです。

舞子 乳搾りをする朝7時ごろになると、牛たちは自然に集まってくるんですよ。搾ってすぐ隣の工房で加工しますから、これ以上新鮮な牛乳を使ったソフトクリームはありません。

牛乳に合うもの追求

2015072201kuri

——一方のアイスクリームを始めたのは。

舞子 9年前です。ソフトはその場でしか食べられず、持ち帰りや「贈答用に」と希望する方が多かったんです。基本であるミルクのほか、ストロベリー、抹茶、レアチーズなど8種類あります。

——今後、描いていることは。

良造 牧場の経営は息子たち夫婦に任せて、私は悠々自適(笑)。若い世代にソフトやアイスの味のベースとなるこの環境を守っていってほしいと願っています。

舞子 今、片手で持って手軽に食べられるバー付きアイスの試作に取り組んでおり、7月23日から大阪・難波で始まるイベント「シティマルシェ」で初披露します。好評なら商品化を考えたいですね。カップ入りもアイスバーも〝黒沢牧場〟の名で売りますので、原点である牛乳に合うものにこだわり続けていきたいです。

【黒沢牧場】

海南市上谷603 073・487・1677

【本紙配布地域内のソフトクリーム&アイスクリーム販売場所】

黒沢ハイランドクラブハウス▽マリーナシティの紀ノ国フルーツ村とポルトヨーロッパ内▽イズミヤ和歌山店1階▽産直市場よってってイオンモール店と貴志川店(アイスクリームのみ)など。※アイスクリームはネットショップの楽天市場でも買えます。

【読者プレゼント】黒沢牧場のアイスクリーム10個入りをセットで3人にプレゼントします。応募方法は7月22日号3面をご参照下さい。

(ニュース和歌山2015年7月22日号掲載)