私の国では花嫁が〝4つの何か〟と言われる「古いもの、新しいもの、借りたもの、青いもの」を身につけると永遠に幸せになれる言い伝えがあります。この連載の幸運を願い、初めの4回は言い伝えにならった写真を紹介します。まずは「古いもの」。それは豊かな歴史を刻んできた紀州の象徴、和歌山城です。昼だけでなく夜も美しい姿を見せてくれます。紺碧(こんぺき)の夜空に輝く天守閣は、いつも私たちの住む街を見守っています。「クラシック・ワカヤマ」では、私が発見した和歌山の美しい瞬間、連綿と受け継がれた物語、そして希望を表現する写真を紹介します。
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サイモン・ワーン(Simon Wearne)
オーストラリア出身の写真家、映像ジャーナリスト。2008年に来日し、和歌山大学観光学部の特任助教を務めるかたわら、太地町の捕鯨文化をユネスコの産業遺産に登録するため、文化財の独自研究と調査を進めている。
(ニュース和歌山2015年7月22日号掲載)