「戦争法案」という言葉がすっかり定着していますが、では私たち同じ日本人の中で戦争を始めたいと本気で考えている人が果たしてどれだけいるのでしょうか。「日々の平和な暮らしを守りたい」「無益な戦争など未来永劫(えいごう)あってはならない」と思うのは日本人ならば当然のことなのですが、皮肉にもその平和を守るべきはずの手法をめぐり、今は賛成派、反対派相まみえての、対決状態となってしまっています。
安全保障関連法案について対立する両者の主張を、国連憲章51条(個別的及び集団的自衛の固有の権利)に基づくものか、日本国憲法9条2項(戦力不保持、交戦権の否認)に基づくものか、と置き換えるとわかりやすくなります。
国際連合は世界平和の維持、国際協力の実現を主たる活動目的としている国際組織であり、そのための手法の一つとして集団的自衛権の行使を全加盟国に認めています。同盟国同士の相互協力こそが抑止力となり、お互いがお互いをけん制し合うことで不測の事態を未然に防ぐことが出来るというわけです。
本来ならば領域侵犯、テロ、国家間紛争などは一切存在しない、各々が戦力の保持を必要としない社会こそが人類の理想であり、世界中の人々の願いであるのかもしれません。しかし、現実は残念ながらかけ離れていることは言うまでもありません。日本が今後も国際社会という枠組みにおいて独立国家として存続していくならば、私は安保法案を国際法に基づいて考えていくべきだと思います。そして次はいよいよ迫る、憲法改正への国民投票と向き合っていかなければならないのです。
和歌山憲法研究会は、これまでの教育課程において学ぶ機会の無かった日本国憲法の歴史的背景と移りゆく国際情勢とを考察し、来たる国民投票実施の日に向けて、正しい判断力を養っていこうという目的で立ち上げた勉強会です。基本的に会としての統一見解は無く、どなたでも参加を歓迎いたします。詳しくは和歌山憲法研究会フェイスブックページまで。
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(ニュース和歌山2015年7月25日号掲載)