◆消化器(内科・外科)
上中クリニック 上中 博之院長
A. 最近話題のプラセンタ(Placenta)は、英語で「胎盤」を意味します。マリーアントワネットや楊貴妃、クレオパトラといった美女が若さを保つために、胎盤から作った生薬を愛用していたと伝えられています。
胎盤はタンパク質、脂質、糖質の3大栄養素を筆頭に、ミネラル、ビタミン、酵素、核酸など多彩な栄養素を成分とし、肝細胞増殖因子、神経細胞増殖因子、上皮細胞増殖因子、肝実質細胞をはじめ、諸組織の細胞の増殖・神経細胞の増殖因子、免疫力を向上させる成長因子など、様々な成長因子を含んでいます。胎盤を原料として製剤化した物がプラセンタの注射や内服薬です。注射薬は、人の胎盤由来の物で、内服薬は近年、豚の胎盤由来の物が主流です。注射薬は「薬事法」と「安全な血液製剤の安定供給の確保に関する法律」のなかで生物由来製品及び特定生物由来製品が指定されているほか、生物由来原料基準により安全に管理され、一部保険適用もあります。
人間以外の哺乳動物は出産後、母親が胎盤を食べてしまいます。これは、出産で失った体力の回復や体のバランスを取り戻すため、胎盤の栄養素が必要であると分かっているから。プラセンタは代謝機能を促進することにも役立ちます。
(ニュース和歌山2015年7月25日号掲載)