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 和歌山市砂山南のろう学校専攻科に通う18歳。放課後の約2時間、練習に打ち込む。全国障害者スポーツ大会は、2011年の山口大会が準優勝、昨年の長崎大会は優勝した。「1位は自信につながりました。今年は地元開催で、一緒に練習している仲間も多く出場するので心強い。目指すは金メダルです」。ラケットを握る手に力がこもる。

 持ち前の運動神経の良さで競技を始めた中1から大会で活躍。回転をかけた球が鋭く落ちるスマッシュが武器で、中2で近畿ろう学校卓球大会に団体出場し優勝に貢献した。

 普段の練習に加え、同校卒業生で現役時代は団体で3年連続の全国準優勝を経験した父から、自宅でビデオを見て指導を受け、試合でアドバイスをもらうことも。試合では、1セット目に様々なサーブを打って相手の弱点を探り、2セット目以降は相手の苦手なところを突いて戦う頭脳派だ。

 課題はプレッシャーに弱い点。試合中に緊張してしまい、力を十分に発揮できないまま負けてしまうことがある。「試合では無心で挑むように心がけています。1セット目を先取できれば、気持ちに少し余裕を持てるので、特に集中します」と語る。

 卓球の県選手団をまとめる県卓球協会副理事長の藤田薫監督は「気の弱い部分がたまに出るものの実力はあるので、強気で押していけば大丈夫。平常心で挑めば金メダルは十分狙える。自信を持って挑んでほしい」とエールを贈っている。

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 全国障害者スポーツ大会「紀の国わかやま大会」(10月24日〜26日)に出場する県出身の選手やチームを土曜号で紹介します。

(ニュース和歌山2015年7月25日号掲載)