悔しさの向こう側へ フェンシング 後藤伊世・九野桃佳選手
国体や全日本選手権で数々の優勝歴を誇るフェンシング王国・和歌山。成年女子フルーレは2012年、13年と国体で優勝し、地元国体までの4連覇を目標に掲げたが、昨年、近畿予選で敗れた。連覇、そして昨年の悔しさを経験したのは後藤伊世選手(和歌山県立和歌山高校教員)と九野桃佳選手(県教育庁)。「絶対勝てると思っていても、負けることがあると勉強できた。今は去年、負けて良かったと思っている」と監督兼任の後藤選手。悔しさの向こう側に見つめるのは一つだ。
写真右=左から九野選手、後藤選手
恩師へ感謝の心抱いて
「ずっと先だと思っていたけれど、もうあと数日なんですよね」。練習前、九野桃佳選手がつぶやいた。「昨年、国体に出られなかったのは、ただただ悔しかった。その分、わかやま国体に向けての思いが強まりました。今回は今まで積み上げてきたことを出し切る舞台」と力を込める。
国体のフェンシングは1チーム3人による団体戦。成年女子フルーレ県代表は後藤伊世選手と九野選手、そしてロンドン五輪に日本代表として出場した西岡詩穂選手(NEXUS)で王座奪還に挑む。監督としてもチームを見る後藤選手は「西岡は常に冷静で、ワールドカップや世界選手権での経験を私たちに伝えてくれる。九野はここ一番に力を発揮する勝負強さを持っている」。仲間への信頼は揺るぎない。本番へ向け、調整は順調だ。
3人とも和歌山北高校出身で、フェンシング部顧問の市川真知子さんに指導を受けた。九野選手は「和歌山で生まれ育ち、縁あってフェンシングに出合えた。和歌山のフェンシングの歴史をつくってきた市川先生の下でやれたことも良い縁だと思います」。今回の国体、少年女子の監督を務める恩師は来年、退職を迎える。後藤選手は「今まで教えてきて良かったと思ってもらえるよう、先生への恩返しの舞台に」──。
師への感謝の気持ちを胸に挑む戦いは迫る。
写真右=母校の和歌山北高校で練習に汗を流す九野選手(左)と後藤選手
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フェンシング成年女子フルーレは9月28日(月)に1・2回戦、9月29日(火)に準々決勝〜決勝が和歌山市手平のビッグウエーブで行われる。
注目選手女性編
和歌山県選手団802人のうち、今回は上位進出が期待される4競技の女性アスリートを紹介します。 ※一般駐車場がない会場もあります。詳細は各競技開催市町村の国体実行委に問い合わせるか、国体HPで確認ください。 |
フェンシング 会期 9/27㊐〜30㊌ |
陸上競技 会期 10/2㊎〜6㊋ |
ボウリング 会期 9/27㊐〜10/2㊎ |
なぎなた
会期 9/27㊐〜29㊋ |
(ニュース和歌山2015年9月19日号掲載)