◆内科
淀澤医院 淀澤 進 院長
A. 乾いた咳が長引くのは、単なる風邪ではなく、マイコプラズマ肺炎かも知れません。
マイコプラズマ肺炎は、「肺炎マイコプラズマ」という微生物によって発症する呼吸器感染症の一種です。肺炎球菌による肺炎とは異なるため、「非定型肺炎」と呼ばれます。
主な症状は、発熱と乾いた咳で、1カ月ほど続いたりします。とくに夜間に激しく咳こみます。痰がからんだり、血痰が出ることもあり、嘔吐や下痢、中耳炎、発疹などが現れる場合もあります。
接触感染や飛沫感染するため、学校や職場など閉鎖的な集団生活の場で感染しやすくなります。幼稚園児から中学生ぐらいまでが患者の大半ですが、大人がかかるとこじらせがちで、重症化することもあります。
診断は、血清検査やレントゲンで行い、抗生物質で治療します。予防には、手洗いやうがいを日ごろから徹底しておくことが大切です。
マイコプラズマ肺炎とよく似た症状で、咳が長引く病気に「百日咳」があります。乳幼児はワクチン接種によって発症をある程度予防できますが、免疫が薄れている大人が発症すると合併症を引き起こすことがあります。咳がなかなか治まらなければすぐ受診しましょう。
(ニュース和歌山2015年10月24日号掲載)