創業53年を誇るめんどり亭は今年6月、和歌山市梶取のきらくゆ和歌山店内に「きらくゆ店」をオープンした。四季折々の和食で人気を集めてきためんどり亭は、これを機に和歌山ならではの新しい創作料理の提供を始めた。現在は、紀州の郷土食で、めんどり亭の名物でもある茶がゆから発想した「紀州茶鍋」が一押し。同店の店長、角谷憲一さん(39)に、新しいメニューや、今後の展開について聞いた。(文中敬称略)
茶がゆ風 独自の鍋
――「紀州茶鍋」はインパクトがありますね。
角谷 めんどり亭は茶がゆが人気で、めんどり亭=茶がゆのイメージがあります。これを生かし、ちょっと変わった和歌山独自の鍋をつくりたいとの思いが始まりです。ほうじ茶の香り漂う出汁で、熊野ポーク、厳選野菜を煮て、それを梅干し、金山寺味噌をからめて食べていただきます。それぞれの味、風味の組み合わせが互いをひきたてあいます。シメはこの出汁を使った茶がゆ風の雑炊です。食材からいろんな出汁が出て、これが好評です。金山寺味噌も県内をくまなく探し、見つけた個人商店の特選品を使っています。茶がゆが好きな方には喜んでもらえると思います。
ライブ感覚しらす丼
――和歌山の発信につながる創作メニューの提案を進めています。
角谷 「あふれんばかりのしらす丼」を先月から始めました。最初にご飯だけをお出しします。そこへ老舗「山利」の釜揚げしらすを、桶から山盛りにしていきます。お客さんがストップをかけるまでどんどん入れるのですが、みなさん、最後に拍手してくれます。とてもライブ感のあるメニューです。フェイスブックに動画を上げてくれ、リピーターになってくれた方もいます。ご飯にたどりつくまでがたいへんですが、そのままでもおいしいので、何もかけず食べる方が多いですよ。
――長い歴史を誇るめんどり亭ですが、きらくゆ店は新たな一歩ですね。
角谷 吉田店は改装準備中です。きらくゆ店開店を機に居酒屋の土風家(和歌山市北中島)と連携し、メニュー開発を進めています。和歌山の人に喜んでもらえる、新しい飲食店の形をつくるのが目標です。風呂桶のようなお膳に料理を盛り、入浴とセットで1200円(月〜金のみ)の「きらくゆ御膳」は入浴施設と一緒になった面白さを追求したメニューです。
――めんどり亭はバラカレーも有名ですね。
角谷 バラカレー、カツ重、それに連携する土風家の名物石焼チャーハンや多彩なスイーツと、メニューは幅広くするよう努めています。湯上がりから、ちょい飲み、懐石の宴会と、お客様が求める要望、どんな年齢層の方にも対応できる店を理想にしています。
――今後の展望は?
角谷 きらくゆさんは定期的にイベントを開き、地域の方とふれあう機会を設けています。私たちも料理の体験イベントなどを開き、地元に根付き、貢献できる店になりたいですね。
【めんどり亭きらくゆ店】
和歌山市梶取251−1
073・455・1166
午前11時〜午後10時。年中無休
【読者プレゼント】食事券1000円分を抽選で10人にプレゼント。応募方法はニュース和歌山2015年11月11日号紙面をご覧下さい。締め切りは11月18日(水)です。
(ニュース和歌山2015年11月11日号掲載)