身体に優しい味をコンセプトにした「和(なごみ)カフェ 一衣(ひとえ)」は、11月に和歌山市土入にオープンしたばかり。扉を開けると、西岡榮次さん(69)と妻の博美さん(65)、長女の知美さん(40)家族や女性スタッフが笑顔で出迎えてくれる。オープン以来、心のこもった料理が口コミで話題を呼び、ランチタイムは客足がたえない。仲むつまじい西岡さん家族に、こだわりの酵素玄米や食への思いを聞いた。(文中敬称略)
3日寝かせる酵素玄米
──ステンドグラスのランプにしっくいの壁。ほっこりする店ですね。
榮次 身体に優しい料理で皆さんに健康になってもらいたくて家族で始めました。娘は調理、私はご飯炊きや調理補助と接客。妻は味つけの確認や店のプロデュースをしています。店名の「一衣」は3人の頭文字からつけています。
──どんなメニューを提供していますか。
榮次 総菜5品にサラダとみそ汁、香物が付く週替わりの一衣ランチや根菜のカレーなどです。こだわりは3日間かけて作る酵素玄米。和歌山市の無農薬の玄米に、小さな小豆と天然塩を合わせた赤飯のようなご飯です。1時間弱圧力鍋で炊いてしっかり蒸らした後、1日1回かき混ぜ、保温釜で3日寝かせます。そうすることで発酵が進み、新陳代謝を促す酵素の効果が出てきます。お客様から「消化が良い」「玄米なのにもちもちして食べやすい」と好評で、酵素玄米目当てに何度も来てくれる方もいます。
写真=酵素玄米がつく人気のランチ
──一衣ランチには、野菜豊富な総菜が小鉢で並んでいますね。
知美 れんこんと梅のハンバーグ、焼き小かぶのポン酢がけ、さつま芋の寄せ揚げといった旬の食材を使った料理を週替わりで提供します。素材の味を最大限に生かしたいので、優しい味付けにしています。みそ汁も出汁を使わず、大根と人参、玉ねぎなど野菜のうまみで味を引き出しています。
母の食へのこだわり
──身体に優しい味付けにこだわるのは。
知美 母の影響です。昔からどんなに忙しくても手を掛けて、手作りのご飯を用意してくれました。両親が共働きだったので、私も小学生のころから台所に立ち、母の料理を学んできました。
博美 もともと健康や美容に興味がありました。主人が甘党で、嫁に来た時、ご飯にあんこをかけて食べるのを見て、「これじゃ糖尿病になる」と思い家族の食事に気を使うようにしました。調味料にもこだわり、無添加の大豆の味噌、ミネラル豊富なてんさい糖など全国の色んな物を試して選んできました。店でも家庭で使ってきた物と同じ調味料を使っています。
──どんな店づくりを考えていますか。
知美 一人暮らしの高齢者や主婦の方など地域の人が集ってくれる店にしたいです。居心地のいい空間にするため、家具や器にこだわっているのでここで地域の人に落ち着いた時間を過ごしてもらえれば、うれしいです。
博美 娘に伝えてきたように、いつか子育て中のお母さんに向けて店で料理教室を開きたいです。レシピを共有して、家族や自分の健康に気使った食事を考える人が一人でも増えてほしいです。
【一衣】
和歌山市土入72-16 Next P.1階
☎ 073・481・4995
午前11時〜午後6時。日曜定休
【読者プレゼント】一衣の1000円分食事券を10人にプレゼント。応募方法はニュース和歌山2015年12月9日号紙面をご覧下さい。締切は12月16日。
(ニュース和歌山2015年12月9日号掲載)