春になると陸上の気温が温かくなるように、海の中も少しずつ水温が上がっていきます。
春はアオリイカの産卵シーズン。自然の産卵場(藻場)が少なくなってしまったアオリイカの産卵の機会を増やすため、この時期に合わせて全国各地の海中にアオリイカの産卵床が設置されます。
メスは産卵床の中に白い房状の卵を丁寧に産み付けていきます。その間、オスは見守り、時にはこちらを威嚇(いかく)したり、オス同士でケンカしたり…。アオリイカの一生は約1年。産卵を終えると、その生涯を終えます。
水温が早く上がった年はアオリイカの産卵も早いことが多く、年によっては串本で4月中旬に始まり、6月にかけて和歌山各地の海へ広がっていきます。
写真=海中に設置された産卵床に卵を産み付けるアオリイカ(協力:赤鯱ダイビングサービス)
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写真家 塩崎仁美…東大阪市出身。県内を中心に水中写真を撮影。東日本大震災の被災地でもボランティアダイバーとして活動している。
※「写真家 塩崎仁美の和歌山水中散歩」は第2・4水曜号掲載です。
(ニュース和歌山2016年6月8日号掲載)