2016061808habakinugi
怖さ4 山の妖怪 出没地域:かつらぎ町花園

 かつらぎ町花園の棕櫚山に現れる妖怪で、夜にこの山を通ると知らないうちにハバキ(旅行者がすねに巻く幅の広い布。脚絆のこと)を剥ぎ取られるという。「なんだ、怖くないじゃん…」と思うなかれ。本来、「ハバキヌギ」とは、旅人が無事に旅から帰ってきたときに行う慰労会のことで、「旅も終わり、これで安心してハバキが脱げる」というように使う。つまり、旅の途中でハバキを剥ぎ取られるということは、旅の無事を意味しない事になるのだ。何が起こるか分からない旅の道中は、いかなる時も気を抜いてはいけないことを「ハバキヌギ」は教えてくれているのかもしれない。

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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(2016年6月18日号掲載)