20161012_cups 7月にオープンしたCUPS(カップス)は、オーナーの西山麻紀さん(30)がほれ込んだアメリカ西海岸のテイストが詰め込まれたカフェだ。目に飛び込んでくるショーケースには色とりどりの容器に入ったカップケーキがずらり。相性抜群のこだわりのコーヒーもアメリカンサイズのカップで提供する。

 和歌山城近く、ビルごとリノベーションが進む「THE PICNIC」の1階。カウンターで商品を注文して、好きな席につくセルフスタイルは、アメリカのカフェの雰囲気そのままだ。

 「25歳でサンフランシスコを旅し、そこから毎年アメリカへ行ってセンスを磨いています。客が食器を戻すときに店員と会話を弾ませる姿を見て、こんなカフェをつくりたいと思っていました」

 甘すぎるイメージが強いアメリカのカップケーキを日本人の口に合うよう試作を繰り返し、レシピを開発。クリームにこだわった基本の「バニラクイーン」、アメリカ老舗メーカーのチョコソースを使った「オレオクランチ」、ザクロとラズベリーの「ベリーベルベット」と、ケースの中は華やか。コーヒーは納得のいくオリジナルブレンドを作りあげた。

 「見た目はポップでかわいく、食べておいしい。そして大切な人に贈りたくなる、というのを心掛けています。生地はバターを入れず、重さを感じさせない、ふわっとした仕上がり。新鮮な生卵を使い、余分なものを入れず素材を生かしてシンプルに。材料の混ぜ方や絞る角度など、技で見せます」

20161012_cups1 中学時代にストリートダンスを始め、ダンサーとして活躍するかたわら、店を開く夢を描いた。洋菓子店で修業したり、カフェでコーヒーのいれ方を身につけたりと着実に目標を追い、30歳を店の0歳にしようと開店を決めた。自然食を扱うナチュラルフードコーディネーターの資格を取得し、店では無農薬のフルーツを入れたデトックスウォーターが自由に飲める。

 「気持ちを込めれば伝わるというのがダンスとお店の共通点に感じます。今後はサラダのランチも計画中。どんどん進化して、まちの人とつながり、『あってよかった』と思われる場所になりたい」

(ニュース和歌山2016年10月12日号)