日ごとに秋も深まり、木々も色づいてきましたね。秋になると私たちを困らせる台風、今年は過去2番目に発生が遅い年でした。
台風が通過すると、経路にそって海面水温が数度下がります。台風が来ないと、東シナ海南部の海水があまりかき混ぜられず、海水温が高くなりすぎて、サンゴを弱らせたり、死滅させる原因となる白化現象が進んでしまいます。
台風というと、その被害に目がいってしまいがちですが、悪いことばかりではなく、サンゴを助ける役割を担っているのです。
台風が過ぎた後、和歌山の海中では台風によって流されてきた南方系の生き物の姿を見かけます。ピグミーシーホースもその1つ。南の海からの贈り物、色鮮やかな魚たちに、海への思いを馳せています。
協力:須江ダイビングセンター
塩崎仁美…東大阪市出身。和歌山県内を中心に水中写真を撮影。東日本大震災の被災地でもボランティアダイバーとして活動している。
(ニュース和歌山2016年10月12日号掲載)