川の妖怪

出没地域:有田川町

怖さ:4

 魚を捕っている人に「あまり捕り過ぎないように」とエコロジカルに戒める「岩魚坊主」という岩魚が化けた妖怪が有名だが、和歌山には、岩魚ならぬ「雨魚坊主」がいる。雨魚は和歌山でいうアマゴのこと。この雨魚が年をとると、雨魚坊主に化ける。岩魚坊主とは違って悪知恵にたけ、坊様の姿で人家を回って悪い事ばかりをする。見た目は徳の高い坊様なので、人々は手厚くもてなすが、それをいいことに、次々に人々を惑わしたという。そんな雨魚坊主も、元は魚。水鳥が大の苦手で、水鳥の声を聞くだけですばやく逃げるらしい。

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 妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山/2017年8月5日更新)