海の妖怪

怖さ:5

出没地域:串本町

 九州北部によく出た妖怪で、靄の立ち込める夜に漁をしていると、突然、大岩が崩れるような音が響き渡るが、翌朝、その場所へ行くと、何事もないという怪異。「じょ」を「女」とし、「石投女」の字をあて、女の姿とされるが、広辞苑には「石投げん尉」とあり、老人の姿としている。和歌山の串本にすむ石投女は絶世の美女。霧深い夜に岩が崩れるような音をたてるほか、その美貌を武器に磯近くを通る船を手招きして近づけ、石を投げて沈めた。出没地域近海に捕鯨文化があるため、怪異の正体は鯨ではないかと考える研究者もいる。

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妖怪をこよなく愛する和歌山市の漫画家、マエオカテツヤさんが毎週土曜日、妖しの世界に誘います。

(ニュース和歌山/2017年8月19日更新)