高野山上から流れ、高野町大滝地区で一大瀑布となる高野大滝。江戸時代の地誌書『紀伊国名所図会』で「高さ数丈、織女機を断ちて素練ひるがえり、仙鼎沸騰して玉屑ほとばしる」とあり、滝の絵に「川下に本国在田川を経て、紀の海に入る」と添えられている。

 名所図会の筆者は、この滝を「織姫が糸を編んで白布をひるがえしているような滝」と表し、はるか彼方の海に流れ込むことを示唆している。

 「滝」の語源である「たぎる」は水が気化することを表し、滝の美しさを示す。名所図会の「沸騰し、水玉がほとばしる」はまさにそれを言い当てており、聖地高野山を知り尽くした表現だ。それを踏まえると、高野四十八滝の集大成がこの滝ということになる。

(ニュース和歌山/2017年11月25日更新)

 

大上敬史さん作製「和歌山県の滝」で、県内の滝が紹介されています。