怖さ:2
里の妖怪
出没地域:和歌山県全域

 僕のラジオ番組に「大晦日、風呂に入らないと、『ふるつくになるぞ』と言われたのですが…」とのお便りが届いた。初耳だったので、「知ってる方いませんか?」とラジオで呼びかけたら、多くのお便りが寄せられた。体に古い汚れが残って、良い新年を迎えられない。つまり、古いものがついたままなので、「ふるつく」というのが大体のご意見だった。このふるつく、日本各地で梟をさす方言でもある。古い巣穴に棲みつくからとも、梟の仲間はミミヅクやコノハヅク(ミミズク、コノハズクの古名)など名前にツクが付き、フルフル鳴くからとも考えられる。何にせよ、大晦日は必ず風呂に入ろう。ふるつくにならぬよう…。

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(ニュース和歌山/2021年1月23日更新)