怖さ:4
山の妖怪
出没地域:九度山町

 九度山町の山の中に阿弥陀滝と呼ばれる滝がある。昔、この滝の近くを通ると、提灯の火が突然消えたり、白坊主が出たかと思うと、あっという間に3㍍余りになって、驚かされたりすることが度々あった。恐れた村人がお寺に相談すると、「この滝で死んだ人の亡霊か、化け物の仕業。阿弥陀仏に百万遍の念仏を捧げれば、効き目があるはず」と住職は言った。村人がお寺のご本尊である阿弥陀仏に念仏を百万遍唱えると、何も起こらなくなった。その後、この滝を〝阿弥陀滝〟と呼ぶようになった。このほか、県内各所や大阪との府県境で目撃された白坊主もやはり滝の近くに現れており、その関係に興味津々である。

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(ニュース和歌山/2021年2月6日更新)