《回答者》
◆整形外科
手・足の外科センター手外科専門医
貴志川リハビリテーション病院
副院長 谷口泰德センター長
高齢男性の手のひらに硬いシコリができ、皮膚が引きつる病気に、デュピュイトラン拘縮があります。
初期の頃は、手のひらにシコリを触れますが、徐々に指が引っ張られ曲がってきます。薬指と小指に起こることが多いです。さらに病気が進行すると手のひらに数珠状の硬いシコリができ、指の曲がりが強くなり、自分で指を伸ばせなくなります。指を伸ばせないので、「洗顔時に指で鼻や目を突く」「クルマの運転が出来ない」など動作に障害を来します。
原因は不明ですが、手のひらの皮下組織(手掌腱膜)にコラーゲンが異常に蓄積、増殖し硬くなります。この硬くなったシコリ(手掌腱膜)が指の動きを障害します。50歳以降の男性で糖尿病の方に多い傾向があります。
治療に有効な薬はなく、指を伸ばすなどのリハビリも効果はありません。指が曲がって日常生活に支障があれば、手術が必要です。皮膚を切開して、硬くなったシコリを切除し、指を伸ばします。この時、大切な指の神経を損傷しないように、手術を慎重にする必要があります。そのため手術は熟練した手外科専門医にお願いした方が良いです。
(ニュース和歌山/2021年2月28日更新)