《回答者》
◆脳神経外科
貴志川リハビリテーション病院
亀井 一郎院長

 リハビリテーションというと「理学療法」ということばを思いつく方が多いと思いますが、実は「作業療法」も「言語聴覚療法」も重要なリハビリテーションの治療法なのです。

 そもそもリハビリテーションという言葉はラテン語に由来しており、「re(ふたたび)」と「habilis(適した)」の融合語です。すなわち、脳卒中やけがで一旦低下した生活機能を、元の適した状態にもどすことを意味します。体幹や手足の大きな筋力を鍛え、立つ、歩くなど人間としての基本的動作を訓練するのが理学療法で、「理学療法士」が担当します。

 しかし、元の日常生活に戻るには、箸使いなどの食事動作、トイレ動作、服の着脱や入浴動作、調理法、買い物など複雑な機能が必要で、これらの訓練を担当するのが「作業療法士」です。

 そして社会参画には言葉によるコミュニケーションが必須ですが、脳卒中などで言語機能が失われた「失語症」患者さんの言語機能回復を図るのが「言語聴覚士」です。脳卒中にかかると「えん下(ものを飲み込む)」ができなくなることがあります。言語聴覚士はえん下機能訓練も担当します。

 療法士さんは認知機能回復にも参画しますよ。

(ニュース和歌山/2021年3月27日更新)