《回答者》
貴志川リハビリテーション病院
手・足の外科センター
整形外科専門医 手外科専門医
谷口泰德 副院長・センター長
ビンのふたを開けるなど、親指に力を入れる動作をすると親指の付け根に痛みがでる病気で、「母指CM関節症」が考えられます。痛み以外の症状として、腫れ、こわばり、関節変形があります。親指の付け根の関節をCM関節と呼ぶことから、母指CM関節症と呼ばれます。
原因は、CM関節の関節軟骨がすり減り、骨同士がぶつかることで痛みや変形が生じます。関節軟骨がすり減る要因は、親指の使い過ぎ、加齢などがあります。また、更年期以降の女性に多いため、女性ホルモンの減少が関係しているとされています。
診断は、親指の付け根の痛み、腫れなどの症状とレントゲン検査でCM関節に変形、関節の隙間が狭いなどを確認して行います。血液検査でリウマチによる関節炎と鑑別することもあります。
治療は、まず保存的治療として、鎮痛剤、湿布を行います。痛みが強い時はステロイド剤を関節内に注射します。さらに患部の安静のため装具を装着します。痛み、変形が強く保存的治療で良くならない時は手術を行います。手術には関節形成術、関節固定術などがありますが、詳細は手外科専門医の先生にご相談ください。
(ニュース和歌山/2021年3月27日更新)