バスケットボールのプロリーグ、 Bリーグ入りを目指すチーム「ONELYS(ワンリーズ) wakayama」が4月1日、発足しました。球団代表で、聴覚障害者がプレーするデフバスケットボールの男子日本代表監督も務める和歌山市の上田頼飛(よりたか)さん(39)に話を聞きました。
日の丸背負い
──出身は。
「大阪市です。6年前、結婚を機に妻の出身地、和歌山へ来ました。妻の実家はお寺で、私も本業は僧侶なんです」
──バスケはいつから?
「始めたのは小学5年です。その後、2000年に大阪で新撰組BBCという社会人クラブチームをつくり、昨年からは同じく社会人チームのランポーレ三重でゼネラルマネジャーと監督もしています。その一方、ストリートバスケで出会った聴覚障害を持つ知人との縁で、14年からデフバスケ男子日本代表の監督として、日の丸を背負っています。翌15年には和歌山と大阪の聴覚障害者でつくるクラブチーム、誠ファミリーも立ち上げました」
──かなりお忙しいそうですね。
「実は認定NPO法人one─s future(ワンズ・フューチャー)の理事長もしています。デフバスケ日本代表監督になったのを機に、障害者スポーツを支援したいとの思いが芽生えました。地域のみんなが元気になれるようにと、このNPO法人を16年につくりました」
人を育てる
──Bリーグを目指すチームを発足させたのは?
「その思いは以前から持っていました。昨年末以降、若い選手たちから『和歌山にチームをつくってほしい』と相談を受け、決断しました。初年度の今年は23~37歳の12人で戦います。うち1人は聴覚障害者。one─s futureがチームを運営します」
──今後、どのような予定ですか。
「今年は和歌山県リーグを戦い、来年の近畿リーグ昇格を目指します。Bリーグ参入は26年度を目標にしています」
──5年後、少し先になりますね。
「スタッフを育てるには、時間がかかります。また、プロリーグに上がるのは大きな目標で、活動するからにはもちろんそこを目指しますが、地域に必要とされるチームになることがもっと大事です。和歌山の皆さんや企業に『お前たち、頑張れ』と支えてもらえるように。それには最低でも5年はかかると考えています」
──急がば回れですね。
「チーム名の〝ONELYS〟は〝ONE〟と〝ONLY〟を組み合わせた造語です。自分の強みであるオンリーワンの部分を伸ばすのに加え、苦手なこともできるようにし、羽ばたこうとの思いを込めました。目標は和歌山の皆さんの夢になること。子どもからお年寄りまで、皆さんに試合を見に来ていただき、楽しみにしてもらえるチームにしたいですね」
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ONELYS所属の山本星矢選手が指導するバスケスクールを和歌山市和歌浦南の健康館で開講中。小6までのエンジョイ、小1〜6対象のチャレンジ、中高生対象のスキルアップ、大人向けの4クラス。小学生は月4400円、中学生以上は月5500円。詳細は「one─s future」HP。
(ニュース和歌山/2021年4月17日更新)