《回答者》
外 科
楽クリニック
藤田 定則院長

 脱腸の診断を受ければ、基本的に治療(手術)するのが原則です。最近は日帰り手術を行っている医療機関も増えましたので、治療予定を立てるのも楽になってきています。

 手術当日は絶食です。血圧、酸素濃度を測り、眠くなる薬の点滴を開始します。麻酔が効き、しっかり眠った状態になれば手術が始まります。

 手術では、入り込んだ腸などの臓器を元に戻し、袋を閉じます。原因となった弱った部分には、体に無害な網状のシートを入れて補強します。手術は1時間以内で終了となります。直後から歩行が可能です。強い痛みや吐き気、めまいなどがないことを確認し、手術後の説明を受けて帰宅します。術後疼痛には飲み薬や坐薬を使用します。強力な痛み止めを使用することはありません。

 術後2~3日ほど療養し、仕事復帰している方がほとんどです。脱腸を疑ったらそのままにせず、外科での受診をお勧めします。

(ニュース和歌山/2021年4月24日更新)