問題解決力やコミュニケーション能力などを身につける和歌山市福町の塾、ピーターソックスの代表、岡崎大輔さん(40)。5月20日㊍に初めての著書『「やり抜く子」と「投げ出す子」の習慣』を発売します。スポーツや創作活動を通し、子どもたちに「最高の自分になる方法」を伝えてきた岡崎さんに、「物事をやりきる子」を育てるためのポイントを尋ねました。
非認知能力養う
──教室を開いたきっかけは?
「以前、製薬会社の営業としてうつ病の薬を売っていました。でも、まずかからないようにするにはどうすればいいか独自で勉強し、社会に出る前に、生きる上で必要とされる『非認知能力』を養うのが大事だと知りました。30歳で退職し、アメリカの大学で教育について学び、帰国後、2014年にピーターソックスを立ち上げました」
──非認知能力とは?
「IQやテストの点数では測れない、自己肯定感や創造する力、リーダーシップ、コミュニケーション能力…。自分発信で能動的に何かをする力を言います」
──ピーターソックスではどんなことを?
「運動能力や自己表現力の向上、ストレス発散のため、バスケットボールやダンスのクラスがあります。『こどもラボクラス』では自分たちでやりたいことを見つけ、協力し、形にしています」
──こどもラボではどんな試みを?
「ある時、子どもたちに『和歌山には何がある?』と質問すると、みんな『何もない』と言ったんです。そこで和歌山をもっと知ろうと、街で店を経営する人たちにおすすめの品や仕事のやりがいなどを聞き、絵日記を書いて一冊にまとめ、書店で販売しました。自分たちがゼロから作ったものが店に並ぶ…、店舗で販売されている光景を見てやりがいを感じたようです。『和歌山もいろいろあるやん』と言っていたのが印象的でした」
心配でなく信頼
──初の著書は親御さん向けに書かれたとか。
「子どもが物事をやり抜く力に、親子のかかわり方が大きな影響を与えると感じ、自分なりにまとめました。まず、子どもを心配するのではなく、信頼してあげることが大事だと思うんです。心配するのは『子どもにはできない』と思っているから。子どもに任せ、失敗してもどこがだめだったんだろうと一緒に答えに向かって考え、自己解決力を養うんです。成功したら思いきりほめるのも欠かせません」
──まずは経験するのが大事ということですね。
「はい。やり抜く事ができる子はいつも自分に課題を持っているんです。親は子どもが自分の力で問題を乗り越え、自己肯定感を養い、成功する楽しさを感じてもらう手助けをするのが役目だと考えています」
──今後、自身がやりたいことは?
「まずは和歌山の親御さん1万人にこの本を読んでもらうのが目標。10冊購入いただいたら、希望に応じて県内ならどこでも出張し、非認知能力を育てる教育について無料で講演します。ゆくゆくはこの考えを全国に向けて発信したい。この本はその第一歩です」
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B6判、248㌻。1650円。宮脇書店和歌山店、TSUTAYA WAYガーデンパーク店などで販売。ピーターソックス(info@petersox.com)。
(ニュース和歌山/2021年5月15日更新)