《回答者》

◆栄養部
今村病院
管理栄養士
阿波 智巳先生

 食中毒の原因は、全体の90%を「細菌」と「ウイルス」が占めます。そのうち細菌によるものは、高温多湿な6月〜9月に多く発生します。ウイルスは大部分がノロウイルスによるもので、それらが蓄積している食品の摂取や人の手を介して感染が起こります。次に紹介する【5つの鍵】で予防しましょう。

 ①清潔に保つ…基本は手洗いの徹底です。調理器具の殺菌もこまめに行いましょう。
 ②生の食品と加熱済みの食品を分ける…生の食品には危険な微生物が含まれている可能性があります。分けることで、他の食品に移るのを防ぎます。
 ③よく加熱する…食中毒菌の多くは75℃以上1分間、ノロウイルスは85℃以上1分間の加熱でほとんどが死滅します。
 ④安全な温度に保つ…食品を室温で2時間以上放置すると、微生物が急速に増える可能性があります。
 ⑤安全な水と原材料を使う

 食中毒予防の三原則は、食中毒菌を「付けない、増やさない、やっつける」です。正しい手洗いの習慣等で、家庭から食中毒をなくしましょう。それでも下痢や腹痛が起こった場合、下痢止め等の薬を飲むと、かえって症状悪化を招くことがあります。安易に服用せず、かかりつけの医師に相談しましょう。

(ニュース和歌山/2021年5月23日更新)