このコーナーでおなじみ、地名の由来シリーズです。今回は和歌山市、Kさんから届いた「汀丁という町名がありますが、昔は波打ち際だったの?」を調査します。
「汀」は波打ち際、なぎさ、水際などの意味です。和歌山城の近くに北汀丁、南汀丁、西汀丁がありますが、街の中心地が波打ち際だったとは思えず…。ただ、昔は地形が違っていて、浜が近くにあったのかもしれません。
和歌山市立博物館で聞きました。
地図=海から汀丁まで決して近くない
お堀の側にあったからか?
「汀丁という町名があるが、昔は波打ち際だった?」。和歌山市立博物館元館長の額田雅裕さんに聞くと、「町名の由来が載った文献は残っておらず、はっきりと分からない」とのことでした。
汀丁の名前がついたのは明治時代の1872年で、それ以前の江戸時代は町名がなく、この一帯に武家屋敷がありました。当時の地図を確認したところ、この武家屋敷はお城の堀に面していました。「恐らく、水際にある町だから汀丁になったのではないか」と額田さん。なるほど、それなら「汀」の文字が使われたのも納得ですね。
(ニュース和歌山/2021年5月29日更新)