明治末期の濱宮です。現在の社殿は銅板葺きに改められていますが、『紀伊国名所図会』の挿絵には茅葺きの社殿が描かれ、この頃はその名残があったようです。一方、スロープ状の石組は江戸期以来、昔の面影を残しています。
『新編和歌山縣神社誌』によると、主祭神の天照皇大神(あまてらすおおみかみ)は第一殿、配祀神の天縣大神(あまかがすおおかみ)・国縣大神(くにかかすおおかみ)は第二殿で、当社は「元伊勢の大神」と称えられました。健康増進に霊験あらたかとされ、「アシ神様」の名で尊崇を集めます。
紀国堂店主、溝端佳則さんの古写真を紹介します。
写真=スロープ状の石組は昔ながらの面影を残している
(ニュース和歌山/2021年6月5日更新)