例えば、「私立」と「市立」は「しりつ」、「科学」と「化学」は「かがく」の様に、違う漢字でも読み方が同じ文字を同音異字と言います。今回は地名に関するそんな謎です。
和歌山市のほまやんさんからの質問。「市内に『ちゅうげんまち』の地名がいくつかありますが、南北は『中間町』、東西は『仲間町』、と『ちゅう』の字が違います。場所も離れていますが、なぜ?」
人べんの有る無しと場所が違う、でも読みは同じ。気になる…。和歌山市立博物館で聞きました。
字は違うけれど意味は同じ
「和歌山市の『ちゅうげんまち』、南北は『中間町』で東西は『仲間町』、場所も離れているが、なぜ違う?」。市立博物館元館長の額田雅裕さんに聞くと、「漢字が違う理由は分かりませんが、意味は同じですよ」とのこと。
そもそも中間(仲間)は江戸時代、武士に仕えていた召使いを表す言葉だそう。主人について歩き、ヤリを持ったり、馬を誘導したりと、雑務を行っていました。当時、武士は一軒家を与えられましたが、中間は長屋に集まって住んでおり、その長屋が集合した地域だったので、「中間町」と名付けられました。
東仲間町と西仲間町は、近くに「北新」の地名があることから、周辺は比較的新しい町と考えられます。武士が増え、それと共に中間の数も多くなったため、南と北の中間町ができたあとに生まれた町だと推察できます。
余談ですが、弊社は南中間町にあります。もし近くに来られた際は、思い出してくださいね。
(ニュース和歌山/2021年7月24日更新)