福外科病院 左下腹部 腫れ

《回答者》
消化器外科・一般外科
福外科病院
消化器外科専門医
大腸肛門病専門医
消化器病専門医

福 昭人院長

 そけいヘルニア(脱腸)と思われます。腫れは時間とともに大きくなり、ひどくなると腸が大きく脱出し、おなかの中に戻らない、いわゆる「腸閉塞」の状態になります。こうなると激しい痛みと全身状態の悪化に陥ることがありますので、注意が必要です。そけいヘルニアは通常、痛みがないため放置されがちですが、専門医の診察を受けるべきです。

 治療は、消化器外科での腹腔鏡手術が一般的になりました。これは、患部の筋肉を切開する従来の切開法とは異なり、5㍉ほどの小さな穴から腹腔鏡という内視鏡を入れ、おなかの中で病巣を治療します。切開法と比べて術後の慢性的な痛みが少なく、器具の進歩と手術手技の普及により、再発率も切開法と同程度以下になりつつあります。そのため、職種にもよりますが早期復職が可能といわれています。腹腔鏡手術は原則日帰り手術となります。まずはかかりつけ医に相談し、消化器外科専門医を紹介してもらいましょう。

(ニュース和歌山/2021年8月29日更新)