《回答者》
◆眼科
吉村眼科 吉村 利規院長

 病院と開業医(診療所)の間では、それぞれの特徴を生かし、眼科の患者さんによりよい診療ができるよう、「病診連携」がとられています。

 入院治療を必要とする疾患であれば、開業医は患者さんを大病院に紹介します。この場合、たとえ自分で手術をしなくても、どのような治療法があるのか、どこで手術できるのか等の情報を知っていなければ紹介できませんので、日々の勉強や研鑽が欠かせません。

 白内障はその代表例です。機器の進歩により、昔の入院手術から、外来での通院手術が一般的になりました。移植する眼内レンズの種類、度数の決定も精度が良くなりました。また、遠くも近くもある程度見える特殊なレンズも、保険外の自費のものだけでなく、保険適用のものも出てきました。症例を選べば、満足している患者さんもおられます。

 一方で、手術が必要な疾患が集中する大病院が、術後の患者さんをいつまでも診ていては患者さんがどんどん増え、限られた設備やスタッフでは医療が効率的に提供できなくなります。そこで、それぞれの地域にある開業医(かかりつけ医)の眼科で手術前後の患者さんを診ることで、病院の負担の軽減につなげているのです。

(ニュース和歌山/2021年8月28日更新)