猫の駅長にユニーク車両と、ほのぼのとした貴志川線に関連し、少々物騒な質問が寄せられました。和歌山市の辻泰仁さんから届いた「掲示されている規定に持ち込めない荷物として“死体”とありますが、こんなものを持ち込む人はいるのですか?」を調べます。
貴志川線の各駅を確認すると、はり出されている規定には、危険品、暖炉・こん炉に続いて、「死体」と書かれていました。中々に衝撃的な文字をわざわざ記すとは、一体、どんな理由があるのでしょう…?
国の鉄道運輸規程を転記
「貴志川線の駅に掲示された規定、持ち込めない荷物に“死体”とあるが、こんなもの持ち込む人いるの?」。和歌山電鐵に聞いたところ、「安全にお客さんを輸送するため、国が定めた鉄道運輸規程を転記したもの。南海電気鉄道から引き継いだ時にはすでに書かれていました」とのことでした。
国土交通省鉄道局によると、初めてこの規程が作られた1900年時点では、持ち込めない手荷物に「不潔なもの」「においの出るもの」と書かれている程度でした。“死体”の文字が明記されたのは36年の改正時です。「具体例として爆発物、油、動物なども追記しました。時代が影響しているのかもしれませんが、なぜ盛り込んだかが分かる資料は見つかりませんでした」
改めて和歌山電鐵に伺うと、過去に持ち込んだとの話を聞いたことはないと断った上で、「運搬手段が限られていた時代、利用者が多い都市部でこういう問題があったのかもしれませんね」と話してくれました。
(ニュース和歌山/2021年9月25日更新)