《回答者》
貴志川リハビリテーション病院
手・足の外科センター
整形外科専門医 手外科専門医
谷口泰德 副院長・センター長
この方の病気はブシャール結節と思われます。
ブシャール結節とは、指の第2関節の軟骨がすり減り、関節が変形し、指が曲り、手指に大きな障害を及ぼす病気です。
症状としては第2関節の痛みや腫れ、変形が進むと関節の動きが悪くなります。稀に、関節に水が溜まってしまうこともあります。進行すると仕事、日常生活に支障をきたすようになり、大変厄介です。詳細な原因は不明ですが、手指の使い過ぎ、40歳代から50歳代の女性に多いため更年期障害、遺伝的要素が考えられます。診断のためにレントゲン検査で関節破壊の程度を確認します。またブシャール結節と似た症状を持つ関節リウマチと鑑別するために、血液検査を行うこともあります。
治療はテーピング、消炎鎮痛剤の内服や関節内へステロイド剤の注射などを行います。これらの治療で効果が無かったり、再発を繰り返す場合は手術を行うこともあります。手術には関節を固定する方法や人工関節を入れる場合もあります。この方のように、我慢しすぎると治療を受けても思うような回復が得られない可能性もありますので、早めに手外科専門医を受診されることをお勧めします。
(ニュース和歌山/2021年10月24日更新)