怖さ:1
山の妖怪
出没地域:日高町
日高町のAさんが子どものころの話。朝、目を覚ますと、顔の横でなにやら蠢いていた。とっさに叩き落とすと、小さな蜘蛛が死んでいた。Aさんを不安が襲った。朝に蜘蛛を殺すと良くないと親に言われていたからだ。それからというもの、Aさんの身の周りには、脚だけの蜘蛛が現れるようになった。その蜘蛛はフワフワと動き、気味が悪かったそうだ。この話を聞いて、僕はピンときた。ユウレイグモかザトウムシではないかと。両者共に蜘蛛の仲間で、長い脚に比べて体が極端に小さく、一見、脚だけに思えるのが特徴だ。蜘蛛を死なせてしまった自責の念がそれらを妖怪に見せたのだろう。
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(ニュース和歌山/2021年10月30日更新)